
このページの数字について
すべて計算で出しています。使っている前提は2つだけです。
- オッズは1.90倍(2択で両側1.90倍、控除率5.0%)
- 真の的中確率は50%(2択で互角の想定)
実際のオッズや的中確率が違えば数字は変わりますが、回数を重ねるほど期待値が下がるという方向は変わりません。控除率がゼロにならない限り、そうなります。
転がしとは何か
勝った資金をそのまま次の賭けに乗せていく方法です。
「1万円を10万円にする」といった目標を、
複数回の的中を連結することで達成しようとします。
複数の試合を1枚にまとめるマルチベット(パーレイ、アキュムレーター)と
数学的には同じです。違いは、まとめて賭けるか、1つずつ確定させてから次に賭けるかだけで、
期待値は変わりません。
混同されやすいのがマーチンゲール法ですが、これは別物です。
転がしは勝ったら賭け金を増やす、
マーチンゲールは負けたら賭け金を増やす手法です。
後半で比較します。
何回で目標に届くのか — 必要回数の表
1.90倍で連続的中したときの倍率です。1.9の累乗を並べただけです。
| 連続的中 | 倍率 | 1万円が | 成功確率(50%想定) |
|---|---|---|---|
| 1回 | 1.90倍 | 19,000円 | 50% |
| 2回 | 3.61倍 | 36,100円 | 25% |
| 3回 | 6.86倍 | 68,600円 | 12.5% |
| 4回 | 13.03倍 | 130,300円 | 6.25% |
| 5回 | 24.76倍 | 247,600円 | 3.13% |
| 7回 | 89.39倍 | 893,900円 | 0.78% |
| 10回 | 613.11倍 | 6,131,100円 | 0.098% |
| 15回 | 7,481倍 | 7,481万円 | 0.003% |
「1万円を10万円に」は4回で届きます。成功確率は16回に1回。
「1万円を100万円に」は8回必要で、確率は256回に1回です。
ここで大事なのは、成功確率が倍率と対称に落ちないことです。
4回で13.03倍になるのに、確率は16分の1(=16倍のうち1回)。
13.03と16の差が、胴元の取り分です。
成功確率と期待値
期待値は「倍率 × 成功確率」で計算できます。
1.90倍・的中率50%なら、1回あたりの期待値は
1.90 × 0.5 = 0.95、つまり95%です。
これをn回続けると、期待値は0.95のn乗になります。
| 回数 | 期待値 | 1万円に対して | 失われる期待値 |
|---|---|---|---|
| 1回 | 95.0% | 9,500円 | −500円 |
| 3回 | 85.7% | 8,570円 | −1,430円 |
| 5回 | 77.4% | 7,740円 | −2,260円 |
| 10回 | 59.9% | 5,990円 | −4,010円 |
| 20回 | 35.8% | 3,580円 | −6,420円 |
10回転がすということは、
統計的には元手の4割を捨てて挑戦しているということです。
残り6割を宝くじの当選金のように、極端に低い確率の側に集中させています。

「1回で終わらせたほうがマシ」という結論
表からわかることは単純です。
期待値の観点では、賭ける回数は少ないほどよい。
1回だけ賭ければ95%、10回転がせば59.9%。
転がしは期待値を改善する手法ではなく、
期待値を犠牲にして分散(当たり外れの振れ幅)を大きくする手法です。
これは欠点とは限りません。
「少額を、低い確率で大きくしたい」という目的がはっきりしていて、
負けても構わない金額でやるなら、目的と手段は一致しています。
問題なのは、これが「安全に増やす方法」として紹介されていることです。
マーチンゲール法との違い
負けたら賭け金を倍にして、1回勝てば損失を取り戻すという方法です。
転がしとは逆向きですが、結論は同じ場所に着きます。
1,000円から始めて、2.00倍で倍賭けしていった場合です。
| 連敗数 | 次の賭け金 | ここまでの累計損失 | その時点の目標利益 |
|---|---|---|---|
| 1 | 2,000円 | 1,000円 | 1,000円 |
| 3 | 8,000円 | 7,000円 | 1,000円 |
| 5 | 32,000円 | 31,000円 | 1,000円 |
| 8 | 256,000円 | 255,000円 | 1,000円 |
| 10 | 1,024,000円 | 1,023,000円 | 1,000円 |
10連敗した時点で、1,000円の利益を得るために102万円を賭ける必要があります。
10連敗する確率は約0.098%——転がしで10連勝する確率とまったく同じです。
低い確率のほうに破滅を置いただけで、期待値は変わりません。
さらに、オッズが1.90倍の場合は倍賭けでは足りません。
1.90倍で取り戻すには賭け金を約2.11倍ずつ増やす必要があり、
上の表よりも早く金額が膨らみます。
サイト側の上限が先に来ます
理論より先に、実務的な壁があります。
- 最大賭け金の上限 — 市場ごとに上限が設定されています。
マーチンゲールは数回の連敗で上限に達します。 - ボーナス利用時の上限はさらに低い —
カジノスカイの登録ボーナスの規約では、最大賭け金がカジノ675円・
スポーツ7,500円です。この状態でマーチンゲールは物理的に成立しません。 - オッズの変動 — 転がしの途中で目当てのオッズが
1.90倍から1.75倍に下がっていれば、計画そのものが崩れます。 - 資金の上限 — 手元の資金が尽きたら、
確率が残っていても続けられません。これが「破産確率」です。
ボーナスの賭け条件を転がしで消化する話
「賭け条件20倍を、転がしで一気に消化する」という説明を見かけます。
賭け条件は賭けた総額で数えるため、
転がしで金額が増えれば消化は速く進みます。ここまでは正しいです。
ただし、実際には次の制約が同時にかかります。
- 最低オッズの指定 — カジノスカイのボーナス規約では
スポーツは1.8以上でないと消化に算入されません - 消化率 — カジノでは、スロット100%に対して
バカラ5%といった差があります - 出金上限 — 同じ規約で、出金上限は15,000円です
- 有効期限 — 3日
この4つが同時にかかると、
賭け条件40倍をバカラ(消化率5%)で消化する場合、
必要な賭け総額は621,600円になります。
出金できるのは最大15,000円です。
条件の詳細はボーナスのページにまとめています。
それでも使う場合の考え方
期待値がマイナスであることを理解したうえで、
娯楽として使う場合に、最低限そろえておきたい前提です。
- 元手は失っていい金額に限定する。
転がしは、その元手がゼロになる確率のほうが高い手法です。 - 回数を先に決める。
「3回で終わり」と決めて、当たっても続けない。
続けるほど期待値が下がるのは表のとおりです。 - 負けた後に取り返そうとしない。
それはマーチンゲールであり、上の表の道です。 - 「勝率が高いオッズ」を選んでも期待値は改善しない。
1.20倍のような低オッズを重ねても、控除率は同じようにかかります。
日本の法律上の位置づけ
先に確認しておきたい法律のこと
日本の刑法は、日本国内から賭博を行うことを禁じています(第185条・第186条)。警察庁は「海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪です」と明言しており、2025年6月の通達でスポーツベッティングも対象に含めています。2025年9月25日からは、ギャンブル等依存症対策基本法 第九条の二により、こうしたサイトを国内の不特定の人に提示すること、および誘導する情報を発信することも禁止されています。
このページは、実際に何が起きているのかを事実として整理したものです。詳しくはブックメーカーと法律・税金のページを先にお読みください。
手法の名前が何であれ、日本国内から海外サイトに賭ける行為は
刑法第185条の賭博罪にあたります。
期待値・違法性・税金の詳細は
ブックメーカーと法律・税金のページにまとめています。
賭ける前に知っておいてほしいこと
ブックメーカーの利用は20歳からです。賭けたお金は戻ってこないことがある、というより、長く続ければ手元から減っていくのが仕組み上の前提です。生活費や借入金を原資にしないこと、「取り返す」ために賭け金を上げないこと、月ごとの上限を先に決めておくことをおすすめします。
ご本人やご家族が、賭けごとをやめたくてもやめられない状態にある場合は、お住まいの都道府県にある精神保健福祉センターが公的な相談窓口です。民間では全国ギャンブル依存症家族の会(090-6737-8665)、ギャマノン(03-6659-4879)があります。厚生労働省の依存症対策ポータルに、相談先の一覧がまとまっています。

